ごあいさつ
医療技術センターは、国家資格(一部認定資格)を持つ10職種の医療技術専門職122名(2023年2月1日現在)で構成されています。
当センターは、チーム医療の推進を図り所属職員を一元的に組織し、効率的かつ適切な人員配置を行い円滑な診療支援並びに患者サービスの向上を目的としています。
私たちは、医療技術者として専門知識と専門技術の習得に励み特定機能病院の役割である高度で先進的な医療の提供に協力し、安全で安心できる最善の医療に貢献することを目指しています。また、併せて大学病院職員として職務?職責を果たし信頼される医療人の育成にも取り組んでいます。
臨床工学技士
部門紹介
麻酔アシスタント部門
2010年より麻酔アシスタント業務が開始され、主に術前麻酔準備、麻酔導入、術中バイタルサイン管理、抜管後患者退室、集中治療室、麻酔科に関わる医療機器管理も含めた周術期管理業務を行っています。また、2019年から神経モニタリング業務も開始されました。2023年3月時点で13名の臨床工学技士が麻酔アシスタント業務に従事しています。
機器管理部門
- 診療部門への機器貸出
- 終業点検、定期点検の実施
- 医療機器のトラブル対応や部品交換
- 医療機器の研修?教育活動
- メーカーとの情報交換
- 医療機器の安全使用確認ラウンド
- 医療機器の消耗品管理
医療機器管理部門では保守管理を中心に業務を行っており、2000台以上の医療機器を中央管理しています。(2022年12月調べ)医療機器の定期的な精度管理を行うことで医療の安全と質の向上に貢献しています。
ペースメーカ業務
ペースメーカをはじめとした植込み型心臓不整脈デバイスの業務にも従事しています。植込み手術から退院指導、定期的な外来でのフォローアップまで携わっており、患者様のQOL向上のために循環器内科医師や小児科医師と綿密な連携を取り業務対応を行なっています。また緊急のデバイスチェックや患者様が各種手術?電磁干渉の恐れのある各種検査を安全に行なって頂けるように24時間体制で対応を行なっています。
ICU業務
(集中治療室?救急集中治療室?新生児集中治療室)
集中治療室?救急集中治療室?新生児集中治療室等の集中治療領域で使用される医療機器は人工呼吸器やECMO(PCPS)、血液浄化装置をはじめとした高度かつ専門性の高い機器が多数あります。その為臨床工学技士が24時間体制で院内に従事する事で安心で安全な医療を患者様に提供出来るように業務体制を整えています。また各診療科の医師と連携を密に取る事で患者様に対して各医療機器の特性を活かせるように日々業務を行なっています。
血液浄化部門紹介
透析部において年間約5000件程度血液透析、血液透析濾過が実施されています。また、集中治療室(ICU)や各科病棟において個人用透析装置を使用した出張透析が年間約200件程度実施されています。その他、血漿交換、腹水濾過濃縮、顆粒球除去療法、免疫吸着療法などといった特殊血液浄化療法も年間約200件程度実施されております。臨床工学技士はこれらすべてに対応しており、主に使用機器の準備や故障対応、透析開始時の穿刺、機器操作、透析液水質管理など多岐に渡り業務を行っております。常に患者に対する安全な治療を提供することを最優先に考えており、医師、看護師、その他メディカルスタッフと密に連携を取りながら日々業務に励んでいます。
IVRセンター部門
数多くの最先端の医療機器を使用し、心臓カテーテル検査?治療をはじめ、カテーテルアブレーションやペースメーカなど不整脈治療の幅広い業務を行っています。臨床工学技士として工学的知識と医学的知識をもとに機器を取り扱い、医療機器の操作?安全管理を通して医師、看護師、放射線技師と連携し患者様に安心?安全な医療をできるよう日々の業務に取り組んでいます。
内視鏡部門
主な業務は検査介助?治療介助?内視鏡洗浄?機器メンテナンスを行っています。
当院ではESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)、ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影法)、EUS-FNA(超音波ガイド下吸引生検)、小腸ダブルバルーン内視鏡、カプセル内視鏡など専門的な治療を行っており、臨床工学技士がそれぞれの治療の介助に入り、高周波装置や処置具の操作等を行います。
夜間や休日の緊急時での検査?治療が必要な場合は24時間365日臨床工学技士が医師と共に緊急内視鏡の対応にあたっています。
呼吸器部門
肺の機能が働かなくなり、呼吸が十分にできなくなった患者様には呼吸を代行するための人工呼吸器という装置が装着されます。その際、臨床工学技士は人工呼吸器が稼働している場所へ行き、安全に装置が使用されているか、装置に異常がないかなどを確認します。また人工呼吸器のメンテナンス?管理等も行っています。
呼吸管理に加えて、心臓血管外科手術における肺高血圧症や新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全患者様に一酸化窒素療法(NO療法)の導入、管理や肺血流増加型心疾患の患者様に低酸素換気療法の導入、管理も行っています。
人工呼吸器に加えて非侵襲的陽圧換気(NPPV)や高流量酸素療法、在宅呼吸器の導入や管理も行っており、昨今の高度な医療技術の進歩に伴い、医療機器の高度化?複雑化が一層進むなか、社会は臨床工学技士の更なる活躍が求められます。
他にもRST(呼吸サポートチーム)の一員として他職種と共に人工呼吸器装着患者様のラウンドを行なっています。
人工心肺部門
心臓手術の際、心臓や肺に代わる働きをする体外循環装置(人工心肺)を操作?管理します。各心疾患や先天性心疾患の開心術に人工心肺の準備と管理を行っています。1症例あたり2名にて対応しており、体外循環技術認定士と若手スタッフと共に業務を行いながら教育も行っています。積極的に若手スタッフにも人工心肺の経験を積み、体外循環技術認定士の取得をサポートしています。心臓血管外科医、麻酔科医、看護師とのコミュニケーションと連携を図り、患者さんへの安全な医療の提供を心がけています。
手術室部門
手術支援ロボットのセッティングや術中対応、眼科手術機器の操作、脊椎?骨盤手術や前立腺生検におけるナビゲーション支援、血管手術での血流評価、下肢静脈瘤手術などでの各種レーザー操作、術中自己血回収術などに携わっています。また腹腔鏡?胸腔鏡手術や多数のインプラントを用いる整形外科手術を中心に、清潔補助業務を行っています。
機器管理では、手術室内の機器において、各種点検や修理対応などを行っています。
中材部門
院内全ての部署で使用される医療機器の洗浄?滅菌に関連した業務を一括して行っています。患者様に安全で清潔な医療器材を恒常的に供給するため、最新のガイドラインに準じた方法で洗浄?滅菌の質の管理を日々行っています。中央材料室での臨床工学技士は、滅菌関連設備の保守点検、鋼製小物?腹腔鏡手術物品の修理?点検、業者貸出器械(LI)の院内での管理等の業務を担当しています。
研究協力のお願い(オプトアウト)
リハビリテーション技師
部門紹介
リハビリテーション技師部門は、3つの係によって成り立っています。リハビリ1係はB病棟を担当します。理学療法士11名、作業療法士4名、言語聴覚士2名です。リハビリ2係はC病棟を担当します。理学療法士10名、作業療法士3名、言語聴覚士2名です。リハビリ3係はA病棟、E病棟、D病棟、救急病棟を担当します。理学療法士9名、作業療法士5名、言語聴覚士1名です。職種毎に係があるのではなく、3職種が1つの係において情報共有を行い、お互いを理解し、チーム医療として質の高いリハビリテーションの提供に貢献しています。
理学療法士は基本的動作能力の改善、作業療法士は応用的動作能力?社会的適応能力の改善、言語聴覚士はコミュニケーション能力や摂食嚥下能力の改善を、それぞれを目的に心身の機能から活動に対してアプローチを行っています。
リハビリテーション技師部門では、リハビリテーション科からの処方により、関係各所との連携を図りながら、患者さんの社会的統合を目指しています。また院内における様々なチーム医療に参画し、専門職としての能力を発揮するよう取り組んでいます。
研修?研究活動において職員を支援する体制を充実させるだけでなく、リハビリ技師の養成校から多くの実習生を受け入れており、後進の育成にも協力しつつ、職員の成長を目指しています。
社会からのリハビリテーションへの期待は高く、それに応えるべくリハビリ技師は日々研鑽しております。
理念
急性期病院におけるリハビリテーション医療の充実(効果的?継続的?均一的かつ高品質リハ医療)を図り、
患者の全人間的復権及び社会適応を目指し取り組みます。
方針
- 科学的かつ温かみのある医療に取り組みます
- リハビリテーション医療の水準向上に努めます
- チーム医療推進に向けて自らに期待された役割を理解し取り組みます
- ワークライフバランス充実に向けて自らに期待された役割を理解し取り組みます
- 効率的な業務運営に取り組みます
実績
延べ実施患者数の経過
疾患別リハビリテーションの割合(2022年度)
医療技術センター3係
部門紹介
医療技術センター3係は、歯科衛生士、歯科技工士、視能訓練士、言語聴覚士、公認心理師/臨床心理士、遺伝カウンセラーの6つの専門職が所属しています。配属先は口腔外科、周術期管理センター、眼科、耳鼻科、精神科、緩和ケアセンター、発達外来、小児/周産期などと広きに渡り、それぞれが医療チームの一員として協働しています。
医師もしくは歯科医師の指示?指導のもとに専門的な医療サービスを提供しています。また、治療のための検査のみでなく、患者さんの入院生活や日常生活が安全かつ安心しておくれるよう、他職種や関連施設と連携をとりながら患者さんとその家族を支援しています。
歯科衛生士
歯科医師の治療をサポートし、人々の“お口の健康”を守る医療専門職です。特に当院では、がん治療や骨髄移植、手術前後のがん支持療法等を行う患者さんに対して、がん治療が安全に継続して行えるよう専門的口腔ケアをします。
歯科技工士
入れ歯や人工歯の作成や加工をします。当院では、顎骨再建等の口腔外科手術にあわせた技工も行っています。
視能訓練士
斜視や弱視の視機能回復を目的とした訓練?指導および、眼の検査全般を行っています。
言語聴覚士
めまい?平衡機能検査等の多様な検査によって「耳」の状態を把握します。また、人工内耳に関する相談対応を担うとともに声や発音の障害などにも対応しています。
公認心理師/臨床心理士
心理学に関する専門的知識および技術をもって心理検査の実施、小児の心身発達状態の分析や、患者さんや家族のこころについて対応しています。
遺伝カウンセラー®
遺伝性疾患を持つ患者さんや家族の相談に対して、正確な情報提供を行うとともに心理?社会的なフォローを行います。