奈良県立医科大学_開学80周年及び畝傍山キャンパスオープン記念
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開学80周年及び新キャンパスオープンに寄せて1310年間の歩みと現状教育と研究の10年の歩みを振り返って 近年、医学?医療の進歩に伴い、エビデンスに基づいた医療(EBM)の重要性が強調され、チーム医療の必要性も高まっている。国際基準に適合した医学教育の推進も求められる中、2016年に「医学教育分野別評価」が開始され、本学もその枠組みに沿った改革を実施してきた。車谷前医学部長のリーダーシップのもと、「奈良県立医科大学教育改革2015」を実施し、「良き医療人育成プログラム」など独自の教育プログラムを確立した。2020年の嶋が医学部長に就任後、申博_申博手机版-平台官网感染症(COVID-19)の影響でオンライン教育が加速し、本学でもハイブリッド型授業を導入した。さらに、シミュレーション教育の重要性が高まり、2021年には文部科学省の「感染症医療人養成事業」に採択され、未来飛躍基金の支援のもと、高度シミュレーターを導入し、先端的なシミュレーション教育が可能になった。2022年の2巡目の医学教育分野別評価に向け、若月幸平教育教授のリーダーシップのもと、教学マネジメント体制の再構築やPDCAサイクルの明確化、診療参加型臨床実習の強化を進めた。さらに、IR(Institutional Research)による教学データの分析をもとに教育改革を推進する体制が構築された。これらの取り組みにより、本年1月に本学は日本医学教育分野別機構の認定を受けた。申博_申博手机版-平台官网では2022年に看護学教育評価を受審し、カリキュラムの改訂や卒業時アウトカムの導入を実施した。2024年には高度な看護人材の育成を目的に看護学研究科に大学院博士後期課程を設置した。国際化の面では、ルール大学(ドイツ)、ミシガン大学(アメリカ)、チェンマイ大学(タイ)、ソンクラー大学(タイ)、サンライズジャパン病院(カンボジア)などと協定を締結し、学生交流や研究者の学術交流を推進している。研究面では、「奈良医大の将来像」として研究の理念を策定し、重点的研究として、1)地域に根差す研究、2)日本を世界と牽引する研究、3)良き医療人を育てる研究の3課題を定めた。吉栖正典研究部長を機構長とする先端医学研究支援機構や医学研究支援センターを設立し、研究支援体制を強化した。2020年には「研究力向上支援センター」を開設し、専属URA(University Research Administrator)を配置した。これらの支援策の結果、科研費などの競争的研究費の獲得件数?獲得額は増加し、AMED(日本医療研究開発機構)採択件数も増えている。また、女性医師?研究者の増加に伴い、女性医師研究者支援センターを中心に支援事業を継続し、2024年には須崎康恵准教授が副センター長に就任し、センター機能のさらなる強化を図っている。 近年、医工連携の重要性が高まり、本学は2009年に奈良先端科学技術大学院大学と連携協定を締結した。2024年12月には、「奈良先端医工科学連携機構(MSTeC NARA)」を設立し、本年3月に文部科学省から「大学等連携推進法人」の認可をえた。本機構の設立を契機に、両大学の教育?研究における医工連携が益々発展することが期待される。医学部長嶋 緑倫

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