附属病院10年の歩み10年間の歩みと現状(千円)60,000,00050,000,00040,000,00030,000,00020,000,00010,00,00000 2022年2023年2024年(見込み)病院収入(人)600,000500,000400,000300,000200,00010,0002015年2016年2017年外来患者数入院患者数2018年2019年2020年2021年 2015年に70年史が刊行されており、その後の10年の附属病院の歩みについて概説する。 その間の病院長は、2020年3月末まで古家 仁先生、2020年4月から現在まで吉川公彦が担当してきた。この10年の間で当院にとって最も大きな出来事は2020年に発生した新型コロナウィルス感染症の蔓延であろう。当院はコロナ重点医療機関として、コロナ専用病床を150床確保し、主にコロナ中等症から重症患者の診療にあたるとともに、コロナ以外の他の医療機関では治療が難しい症例にも対応し、正に奈良県医療の最終ディフェンスラインとしてその機能を存分に発揮した。コロナの影響で患者数と病院収入は減少したが、その後の職員の努力により病院経営は改善しつつある。 以下に主な病院施設の整備の歩みと病院収入ならびに患者数の推移について記載する。2015年 臨床研究センター設置、土日ER診療開始。心臓血管外科?呼吸器外科を組織変更し心臓血管外科と呼吸器外科を設置2016年 玉井進記念四肢外傷センター、総合画像診断センター、めまいセンター設置E棟竣工。耳鼻咽喉科?甲状腺外科から耳鼻咽喉:頭頸部外科に名称変更2017年 認知症センター、脳卒中センター設置2018年 循環器?腎臓?代謝内科を組織変更し、循環器内科と腎臓内科を設置B?C棟屋上ヘリポート竣工。がんゲノム医療連携病院指定、乳腺センター設置神経内科を脳神経内科に名称変更2019年 奈良県難病医療連携拠点病院、奈良県アレルギー疾患医療拠点病院、災害拠点精神科病院指定、放射線科(画像診断?IVR)を放射線科?核医学科に、放射線治療?核医学科を放射線治療科に名称変更2020年 腫瘍内科設置。コロナ重点医療機関に指定2022年 在宅医療支援センター設置。24時間365日ER診療開始、呼吸器?アレルギー?血液内科を組織変更し、呼吸器?アレルギーと血液内科を設置、めまいセンターをめまい?難聴センターに名称変更2023年 医療クラーク部、高度生殖医療センター設置。がんゲノム医療拠点病院指定。感染制御内科を感染症内科に、医療安全推進室を医療の質?安全管理センターに名称変更2024年 がん相談支援センター、リウマチセンター設置、ハイブリッドER導入 このように10年間で附属病院は特定機能病院としての専門性を明確にし、より高度な医療の供給体制の充実化を進めてきた。 外来?入院患者数はコロナ前に回復、病院収入もコロナ前を超え、診療材料費、人件費の高騰により病院経営は苦しいが、2024年度決算では10年前の1.4倍にあたる過去最高の500億を超える病院収入が見込まれている。一方、A棟を中心に病院施設の老朽化?狭隘化が進んでおり、現在2031年の新A棟竣工を目指して基本設計中である。 今後も奈良県立医科大学附属病院が奈良県の基幹病院として、さらに先進医療の発信?実践を行うトップレベルの医療機関として発展するよう願っている。14附属病院長吉川 公彦
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