奈良県立医科大学_開学80周年及び畝傍山キャンパスオープン記念
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開学80周年および新キャンパス開学に寄せて1610年間の歩みと現状開学80周年記念及び新キャンパスオープン記念事業実行委員会 委員長医学科長 この度は開学80周年および新キャンパス(畝傍山キャンパス)オープン、誠におめでとうございます。奈良医大の卒業生?教職員として歴史の大きな1ページに携わることができましたこと、そしてこのような素晴らしい畝傍山キャンパスに変貌する姿を目の当たりにできたことを、とても感慨深く感じております。 私は2024年4月より医学科長を拝命し、医学科における教育と入試を担当しておりますので、教育と入試の変遷から開学80周年および新キャンパス開学への寄稿をさせて頂きたく存じます。 本学の教育理念は、豊かな人間性に基づいた高い倫理観と旺盛な科学的探究心を備え、患者?医療関係者、地域や海外の人々と温かい心で積極的に交流し、生涯にわたり最善の医療提供を実践し続けようとする強い意志を持った医療人の育成にあります。そのために、奈良医大の教育プログラムはこの10年で大きく変貌し、様々な特色ある教育プログラムを実践して参りました。たとえば、第1学年から実際の医療を体験し、臨床手技の実習も始まります。さらに、「良き医療人育成プログラム」を通じて、コミュニケーション力を強化するとともに疾患をもつ患者さんやご家族の気持ちを理解し、最善の医療を提供する医師としての素養を学んでいきます。また一方で研究マインドの育成にも力を入れております。第2学年の3カ月近くにわたる研究室配属(リサーチ?クラークシップ)では学内外の研究室に所属し、医学研究を体験します。海外の研究施設で研究することも選択でき、毎年30名以上の学生が本学と連携大学でもあるミシガン大学など有数の海外?国内の大学や研究所で医学研究を体験しております。臨床教育では参加型実習を中心に内視鏡や超音波検査などの多様な高度シュミレーターを備え、卒後にもつながる臨床力を意識した医学教育を展開しております。さらに県下のクリニックや僻地の診療所のご協力により、地域医療を担える医師の育成にも力を入れて参りました。これらは多くの先生方や卒業生の皆様のご協力?ご尽力、そして「未来の飛躍基金」の活用により成し得たものです。皆様方に心より感謝申し上げます。 次に入試ではこの10年において、入学定員はいわゆる後期重視の入試へと変貌しましたが、後期入試のみならず推薦や前期入試においても、その難易度の高さは受験生や高校?予備校などから高い評価を受けるようになり、奈良医大の存在感がますます高くなって参りました。 その中で本年 (2025年) の新キャンパス開校は、本学がますます飛躍するための教養?医学教育、そしてクラブ活動の拠点として最新かつ最高の教育を提供できる環境が整いました。この新キャンパスで学んだ学生達が本学に対する誇りと愛校心を胸に、奈良県をはじめ国内?世界の様々な分野で活躍してくれることを期待しております。改めて関係者の皆様方に厚く御礼申し上げますとともに、奈良医大の更なる飛躍?発展にご期待ください。伊藤 利洋

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