奈良県立医科大学_開学80周年及び畝傍山キャンパスオープン記念
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大学の組織HPhttps://microbiology.naramed-u.ac.jpなっている「カルバペネム耐性腸内細菌目(CRE)」における耐性機構のひとつであるβ-ラクタマーゼを新たに発見し、現在もその耐性機構の解析および分子疫学を中心に研究を進めています。また、COVID-19のパンデミックは記憶に新しいところですが、多くの企業からの要請に応え、SARS-CoV-2を不活化する物質の開発?評価にも取り組みました。これまでに130件以上の共同研究?受託研究を実施し、この分野に特化した大学発ベンチャー企業を起ち上げることが出来ました。 現在は、パンデミックが落ち着いたことを受け、本来の研究テーマである薬剤耐性菌研究に再び主軸を置いています。しかし、今後も新たな感染症の流行やパンデミックの発生は十分に予想されるため、社会のニーズに即応できるよう、検査?研究体制の強化を進めています。今後も、感染症制御の最前線で、社会に貢献する研究?教育を推進してまいります。HPhttps://nara-immunology.jp解析から病態メカニズムを明らかにし、疾患の予防?治療に繋がる標的分子の同定?実用化を目指すべく研究を進めております。申博_申博手机版-平台官网2年には「柿渋による申博_申博手机版-平台官网の不活化」に関する報道発表を行い、本成果をもとに産学連携を進め、製菓企業の協力を得て柿渋□などを開発?商品化し、社会貢献を果たして参りました。また新型コロナのワクチン接種において、免疫記憶に重要なメモリーT細胞の変遷を世界で初めて明らかにしました。本臨床研究を迅速に進めることができたのは、基礎と臨床の強固な結び付きを有する本学の強みを生かした結果であり、ご尽力いただきました皆様方に心より感謝申し上げます。引き続きこの古都奈良に免疫学の歴史を紡いでいけるよう、学生教育並びに医学研究に日々精進して参ります。どうぞ皆さま方のご支援、ご指導を賜りますよう宜しくお願い申し上げますとともに、本講座の発展にご期待ください。26日本臨床微生物学会にて免疫学の集合写真(卒業式後にて) 微生物感染症学講座は、2014年5月に細菌学講座を前身として開設され、本年で11年目を迎えます。開設当初は教授、講師、教室職員の3名という小規模な体制でしたが、現在では教員4名、研究補助員2名、教室職員2名、大学院生4名、学部生6名が在籍し、活発に教育?研究活動を展開しています。医学?薬学?獣医学?臨床検査?看護といった多様な専門分野のスタッフが集結し、微生物学の多面的な理解を深めながら、微生物学、感染症学の教育と研究の発展に寄与しています。 感染症は時代とともにその様相を変えながら、人類にとっての脅威であり続けています。特に近年では、新興?再興感染症の出現や薬剤耐性菌の増加が深刻な課題となっています。そのような状況の中、本講座では耐性菌感染症の病態解明、新規診断法の開発、感染制御戦略の確立に取り組んでまいりました。 なかでも、本講座が最も重視している研究テーマは「薬剤耐性菌の耐性機序」に関する研究です。近年、医療?社会的に大きな問題と 開学80周年、誠におめでとうございます。この記念すべき年に本学の医学教育?研究の一旦を担わせていただいておりますことを光栄に存じます。 免疫学講座は、病原体?感染?免疫の基礎医学領域再編に伴い、平成26年4月1日に開設された新講座です。多様な疾患の病態解明や、抗体療法をはじめとした新規治療法の開発など、免疫学が貢献する分野が急速に発展する中で、免疫学の教育?研究の必要性が大きく増してきたことが、免疫学講座新設の主旨であります。総勢5名でスタートした本講座も、申博_申博手机版-平台官网6年度に講座開設10周年を迎え、教授を含む教員4名、大学院生5名、教室職員3名、医学科生19名(卒業生含む)が集う講座となりました。現在、慢性呼吸器疾患(肺線維症?慢性閉塞性肺疾患)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、潰瘍性大腸炎、呼吸器感染症(新型コロナ?インフルエンザ?非結核性抗酸菌症)、関節リウマチ、各種がんといった様々な難治性疾患に対する免疫学的医学科:基礎医学教育 微生物感染症学教授/矢野 寿一医学科:基礎医学教育 免疫学教授/伊藤 利洋

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