大学の組織 脳神経内科学は1981年に創設され、2025年で45周年です。2017年第3代教授に杉江和馬が就任し、8年目を迎えています。2018年に神経内科から「脳神経内科」へ標榜変更しました。 この10年で脳神経内科領域では画期的な新規薬剤が多数登場し「新時代」到来です。当科は県内外から多数の紹介患者を受け、最新医療と臨床および基礎研究、後進指導に精励しています。脳神経内科は、脳卒中や認知症、頭痛などのcommon diseaseに取り組む「ジェネラリスト」と神経筋難病に対応する「スペシャリスト」の両方の役割が重要です。 臨床では、2017年に脳神経外科と共同で開設した「脳卒中センター」でセンター長を兼務し、2018年「奈良県難病拠点病院」運営委員長、2022年MBT研究所教授、2023年「奈良県脳卒中?心臓病等相談支援センター」センター長、「認知症センター」副センター長、2024年「遺伝カウンセリング室」室長として、医局総出で尽力しています。消化器?総合外科学教室 消化器?総合外科(旧第一外科)学教室は本学開学と同時に設立され、現在は庄 雅之が第5代教授として主宰し、消化器、乳腺、小児外科の幅広い分野を担当させていただいております。この10年間を振り返ると、外科学および薬物療法の進歩は目覚ましいものがありました。前者ではロボット支援下手術が消化器外科分野でも次々に保険承認され、現在当教室でもほぼ全ての術式に適応しています。肥満手術も新たに開始しています。また、免疫治療や分子標的治療の新規導入で術前後あるいは切除不能?再発の治療が大きく変わり、切除不能症例が切除可能となることも稀ではなくなりました。このような中、大学および附属病院の基本方針に則り、県内最終ディフェンスラインとして、断らない外科を標榜し、日々高度先進医療から救急対応まで幅広く業務を遂行しております。年間の手術件数はコロナ禍でも比較的落ち込むことはなく、現在は1,100例程度となっています。また、HPhttps://neu.naramed-u.ac.jp 研究では、未来基礎医学と「脳オルガノイド」「相分離」に取り組み、2021年Nat Commun誌をはじめ多くの画期的な成果を発信しています。2024年森英一朗先生起業の(株)モルミルが「分子動態創薬共同研究講座」を開設し教授を兼任しています。同年開設の「オートファジー?抗老化研究センター」では副センター長として、センター長の中村修平教授と研究を開始し大型予算獲得を実現しました。現在、20以上の臨床?基礎研究を実施し、10件前後の臨床治験、複数の産官学連携が進行中です。毎年の日本神経学会では20以上の研究発表を行い、年間10名以上が国内外の各種学会賞や研究助成の機会を得ています。2024年9月にアジア?オセアニア筋学会を当科が事務局として奈良で開催し大盛況でした。2025年8月には日本脳血管?認知症学会を私が大会長で東大寺で開催予定です。私を含め多くの医局員が、各種学会やさまざまな公的機関の要職をつとめ活躍しています。 今後さらに最新医療と最先端の研究、人材育成に邁進いたします。HPhttps://1sur.naramed-u.ac.jp薬物療法においても数多くを担当し、現在外来化学療法室稼働の半数以上を使用させていただいています。研究面では、日常臨床データの集計?解析のみならず、臨床応用可能な治療標的分子の新規開発やバイオマーカー探索に精力的に取り組み、科研費獲得も重要な責務と考えています。医学教育では、学部教育から丁寧な指導を行い、学生が在学中に筆頭著者論文発表、あるいは全国学会の最優秀演題賞を受賞するなどの大きな成果を挙げています。また、奈良の地の利を生かしつつ、国内外の他施設とも積極的に交流を行い、本学の存在感を高めるように努めています。さらに、学会活動、ガイドライン作成にも主体的に関わり、奈良県での全国学会開催も予定しています。開学100周年に向け、さらなる本学の発展を目指し、教育、研究、臨床、社会活動に教室一丸となって取り組み、法人運営、病院経営に少しでも多くの貢献を行って参ります。34脳神経内科の集合写真消化器?総合外科同窓会 2024年(於 奈良ホテル)医学科:臨床医学教育 脳神経内科学教授/杉江 和馬医学科:臨床医学教育 消化器?総合外科学教授/庄 雅之
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