奈良県立医科大学_開学80周年及び畝傍山キャンパスオープン記念
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第6回わい和いNARA在宅サポート研究会発表会 2015年から2017年3月まで、精神看護学は軸丸清子教授のもと、教育面では、オレムのセルフケア理論とオレムアンダーウッドモデルを基盤に、心理療法的看護(サイコセラピューティック?ナーシング)の指導に力を注いでいました。研究および社会貢献として、2012年に本学と明日香村との間で地域医療連携事業に関する協定が締結され、地域健康医学教室が主導する「あすか健康プロジェクト48」の一環として、明日香村地域住民を対象に介護予防と健康促進事業に取り組みました。その中で、「認知機能低下防止とサクセスフルエイジングの支援」に焦点を当て、地域在住高齢者に対する「懐メロを用いた回想法」を実践し、認知機能やうつ症状、主観的幸福感の変化などについて検証を行いました。 2017年10月には風間眞理教授が着任されました。風間教授は、教育において地域精神保健?看護や医療観察法に基づく看護、精神障害者へのスティグマを重視され、リカバリーやストレングスの概念 在宅看護学は、小児から高齢者まで全ての年齢を対象とし、難病、精神科疾患、脳血管疾患等の多様な疾患を持ちながら療養する方とその家族を支える領域である。また、疾病予防、健康の維持増進、疾病の回復から人生の最期まで自分らしく生ききることを支える等、療養者や家族の思いを大切にした「生活の視点で支える看護とは?」を探究する領域である。 奈良県立医科大学/大学院における在宅看護師のリーダーを養成する奨学金制度が2016年から開始され、3?4年生/大学院1?2年の学生の時期、卒業後4年/2年までの時期をシームレスに継続できる在宅看護教育特別プログラム(在プロ)の構築が必要となった。6年/4年間の長期的な教育となることから、4つのRQを掲げて基盤づくりに努めた。Keywordsは、①おもしろさ“Interest”、②リーダー、③継続教育、④在宅看護力である。この4つの概念の関係構造を検討した結果、“Interest”がスタートとなり、在宅看護力や「忠恕力:相手を思いやり真□に向き合う力」を養い、「人間力」を高めることがアウトカムとなった。それには学習を中心に教育が展開されました。また、精神看護学実習では事業所実習、そして統合実習では医療観察法病棟実習を導入されました。一方、研究では医療観察法病棟対象者と看護師の関係構築プロセスに関する研究を進められました。 風間教授が2022年3月に退職され、2024年1月に私が教授に着任いたしました。現在の精神看護学では、精神看護に関する専門知識や臨床スキルの習得に加え、人間性と倫理観を向上させる教育を重視しています。患者やその家族、地域住民に対し、心のこもったサポートを提供できる看護師の育成を目指しています。具体的には、こころの機能や発達課題、リカバリーやストレングスの概念について学びを深めています。研究活動は、精神科訪問看護や医療観察法に基づく看護を中心に取り組んでいます。2025年4月には新たに教員が加わり、共同研究を行っていく予定です。HPhttps://naramed-kangogaku.jp/curriculum/継続力も重要であり、継続するには看護の“Interest”をもつ必要がある。在プロは、看護のInterestを探究し、主体的に学習するアクティブラーニングであり、アクティブトランジションでもある。〈在宅看護教育プロジェクト(2016年?)〉 奈良で活躍する「在宅看護師のリーダーを育成する奨学金制度(在プロ)」や「病院と訪問看護をつなぐ訪問看護師?病院看護師人材交流在宅看護教育プログラム(人材交流プロ)」がある。☆在プロ奨学金(6年コース:240万円、4年コース:120万円、修了すれば返還不要)☆人材交流プロ(3ヶ月コース:2021年?)☆わい和いNARA在宅サポート研究会の設立※“研究会”、“在プロ”、“人材交流”のトライアンギュレーション効果をねらっている。〈主な研究〉☆喉頭摘出者の心理的適応?QOLを高める看護介入研究:RCT ☆奈良県の在宅看取りに関する実態調査ほか49大学の組織申博_申博手机版-平台官网 精神看護学教授/奥田 淳申博_申博手机版-平台官网 在宅看護学教授/小竹 久実子

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