附属病院の組織附属病院の組織2024年度の感染管理室員です。 2002年、ICT(Infection Control Team)ルームという名称の感染対策部門ができ、感染症専門医?感染管理認定看護師?臨床微生物検査技師の3名による活動が始まりました。病棟の職員用手洗い場には、タオルが掛かっているような課題が多い状況でした。前後して2001年には第一種感染症を受け入れる病床整備が始まり、未知の感染症に対峙するための病室整備は手探りですすめたものでした。その病室は時折、結核やデング熱などに利用される程度で月日が流れましたが、2020年に入りCOVID-19の大流行に伴い、大いに活用されることになり、感染症が瞬く間に世界的大流行となることや、その封じ込めの難しさを実感しました。感染制御は医療の一分野として確立され、現在では独立した部門として運営されています。専従スタッフとして看護師3名、薬剤師1名、事務員3名が配置され、さらに専任の感染症専門医2名と微生物検査技師1名が加わり、組織的に活動しています。病院内の医療関連感染防止、患者さんのためになることは取り組もうという信念のもと、病院を横断的に様々な業務や提案を行い、ボイラー室などへも伺いました。 病院は、患者さんが治療やケアを受けて病状を回復する場所です。その医療に関連していわゆる「医療関連感染」で、病状が悪化したり、不要な治療を受けたり、入院が長期化したりすることは患者?病院双方回避しなければなりません。そのためにも医療者への感染防止のための知識や、抗菌薬の適正投与の実践はとても重要です。その役割を担っているのが、感染管理室です。また、患者さんを地域で支える仕組みの中、感染制御は、在宅であっても必要です。そのような地域で連携しながら感染対策を強化するため、カンファレンスを開催しています。また、地域の病院やクリニックを訪問し、指導を行っています。このように、感染管理室は、病院内にとどまらず、地域の感染対策向上にも貢献しています。72感染管理室室長/笠原 敬
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