奈良県立医科大学_開学80周年及び畝傍山キャンパスオープン記念
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法人の組織HP/university/kanrenshisetsu/ishihaken/index.html結果は、県とも共有する。このようなプロセスによって、行政的には理解が難しい、かなりの部分を可視化することが可能になったと思われる。  センターでは、医局を超えた医師配置についても調査?研究を行ってきた。本学医局に属する50歳以上の医師に行った定年後の就業についてのアンケート調査の結果、医局からの定年後就業先紹介が減っていること、多くの50歳以上の医師が定年後の就業について不安感を持っていることなどが明らかになった。この結果を受けて、センターは、奈良県と協働し、奈良県が運営している「奈良県ドクターバンク」を通じて定年後の医師の就労を支援する活動を開始した。 医師の確保?配置は、「医師不足」が大きな問題であった時代から、「医師偏在」が主要課題になる時代に変化した。奈良県内の医師確保が今後も円滑に進むように、センターは時代に合った医師確保?配置について、各医療機関や医局との情報交換を重視して活動を進めていきたい。/university/kanrenshisetsu/shogakusehaichi/index.htmlHP開発センターと協働して県費奨学生全員との面談を毎年実施している。 さらに、卒後に向けた支援として臨床研修病院見学ツアーを企画し、県内病院への円滑な配置ができるようにサポートしている。県費奨学生総会は、年に1回開催され、県費奨学生のみならず、保護者も参加いただくようにしている。会では、診療科選択に役立つ各診療科医師による講演や県費奨学生の先輩医師による経験談?アドバイスなどを盛り込み、県費奨学生が自身のキャリアパスをイメージしやすい環境を提供している。卒後の医師についてセンターは、診療科選択や配置についての相談業務、ならびに定期的な配置の状況確認を行うなどのサポートを行っている。また、ますます増加する県費奨学生に対応し、面談内容を含めた情報が卒前?卒後で共有できるよう、奨学生情報をクラウド化する仕組みを構築した。 センターは、今後も時代を反映した県費奨学生キャリア支援を継続していく所存である。7474県費奨学生に臨床研修病院の選定について説明しているところです 奈良県立医科大学医師派遣センター(以下、センター)は、「医師不足」が声高に言われていた平成26年(2014年)4月に、診療科を限定した入学制度による医師確保を目指す県費奨学生配置センターと合わせ、従来の医局主導で行われている医師配置下での地域偏在と診療科偏在にも目を向けた奈良県内の医師配置適正化を目的とし設立された。センターそのものが医師派遣?配置機能を持つことが期待されたが、センターがその派遣機能を代替することは困難であった。そこでセンターは、ややもすると誤解されやすい従来の医師派遣システムの「みえる化」を目指した。具体的には、地域の公立?公的医療機関からの医師派遣要請を受け、その医療機関との面談を行い、詳しい派遣条件などを聞き取る。その後、その内容を大学医局などと情報共有し、医局などからは当該医療機関への医師派遣の可否ならびに派遣できない場合にはその理由と今後の派遣可能性について聞き取る。そして、医局との面談結果?内容を当該医療機関に報告する。また、この医師派遣交渉の経過? 奈良県で「医師不足」とされた診療科の医師確保を目的とし、2007年に奈良県緊急医師確保枠修学金制度が制定された。その後、県費奨学生が義務就業開始後の適切なキャリア形成ができるよう、奈良県立医科大学県費奨学生配置センター(以下、センター)が2013年10月に設立された。人口動態や医療環境の変化に伴い、選択できる診療科に内科(総合内科分野)や外科が追加されるなどの変遷を経て、2025年度末現在、118名の県費奨学生医師が県内で地域医療に従事している。  センターは、新入学県費奨学生に対する「入学オリエンテーション」、「保護者説明会」、「新入生交流会」などを通じて、緊急医師確保枠の意義と制度の内容、義務終了までの流れを入学時から十分に理解いただくこと、ならびに、奨学生相互の交流を推進し、県外からの入学も多い県費奨学生が奈良県に愛着を持ち、長らく奈良県の医療に従事してもらうことを目標に支援を行っている。また、県費奨学生の勉学や生活の状況を聞き取り、よりきめ細やかな奨学生支援を進めるために、教育県立医大医師派遣センターセンター長/細井 裕司県費奨学生配置センターセンター長/細井 裕司

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