前列左から、佐伯マネージャー、嶋センター長、冨岡コーディネーター 後列左から、大岡保健師、和家佐サブコーディネーター、信野サブコーディネーター (基礎医学棟4階、県民健康増進支援センターにて2025年1月31日撮影)健康管理センタースタッフ 県民健康増進支援センターは、2014年4月1日に、県民の健康増進を科学的な立場から支援することを目的に開設されました。当センターの使命は、予防医学や健康づくりの適切な情報、研究成果を提供することを通じて、県や市町村が実施する健康増進事業に寄与するとともに、地域住民のセルフケアを支援することです。 開設当初の専任は教員と事務員の2名でしたが、2019年7月より保健師を配置し、相談支援体制の強化を図りました。その結果、2024年末までに、奈良県、県内市町村と医療保険者や医療機関などの関係組織団体に延1100件以上の支援を行って参りました。具体的には、以下のような活動を行って参りました。 ?県や市町村が実施する調査や事業への支援や、事業計画?評価に関する委員会などへの参画により、エビデンスに基づく施策作りを助言しました。 健康管理センターは、2011年4月に大学組織の一つとして新たに設置されています。2014年に教育研修棟1階に事務室?保健室?相談室が整備され、本格的に健康管理センターの活動が行えるようになっています。現在は産業医が2名に増員され、保健師(衛生管理者)1名、看護師1名、臨床検査技師1名、事務職員3名のスタッフで構成されています。2025年4月には新キャンパスがオープンするので、そちらにも健康管理センターの保健室などが設置され、新キャンパスで学び、働く方々にも対応できる準備を進めています。 健康管理センターでは、学生?職員が大学にいる間、安全に健康で過ごせることを任務としています。そのため、「学校保健安全法」や「労働安全衛生法」という法律に則って業務を行っています。 健康管理センターの開設当初から健康診断(定期健康診断だけでなく、特殊健康診断、入職者健康診断など)、職場巡視、衛生委員会の開催、感染症対策(B型肝炎ウイルスワクチン接種、麻疹などの法人の組織 ?医療保険者が実施する調査や事業を支援し、データの利活用の推進を支援しました。?公開講座「くらしと医学」の開催や、定期刊行物「Health Letter」の発行を通じて、当センターの周知活動、情報発信を行いました。 さらには、健康長寿に関する施策のエビデンス作りを支援するため、市町村との共同研究や公的統計を用いた研究を行い、センター活動に関連した原著論文を33本、公表することができました。これらの活動成果は、「健康長寿社会の実現に向けた疫学研究と公衆衛生活動」というテーマで第79回日本公衆衛生学会奨励賞を受賞しました。 今後も、当センターが有する予防医学の知見や調査及び保健活動のノウハウを生かして、県や市町村を支援し、奈良県民の健康増進に貢献できるよう、活動を進めて参りたいと思います。HPhttps://hcc.naramed-u.ac.jp/ウイルス抗体価の管理、結核検診、針刺し?切創事故防止対策など)、健康相談を実施してきています。特に、健康相談ではメンタル不調を伴う学生?職員の産業医(校医)面談を開始し、2012年度は10名ほどの面談者数でしたが、現在では年間100名以上との面談を実施しています。加えて、メンタル不調による休職者の復職時には復職審査会で支援プランを作成し、復職をサポートするシステムを確立しています。また、希望者には臨床心理士(非常勤2名)によるカウンセリングを紹介することができます。 その後法律の改正に伴い、ストレスチェック、化学物質の自律的管理(リスクアセスメント)、医師の過重労働面談など新たな事業が加わり、現在も職員の皆様にご協力頂きながら「安全と健康を守る」ための体制作りを進化させています。今後とも健康管理センターの役割をご理解いただき、ご支援をお願い申し上げます。75県民健康増進支援センターセンター長/嶋 緑倫健康管理センターセンター長/山室 和彦
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